ノコギリヤシで育毛が期待できるわけ

ノコギリヤシは、アメリカ南部に分布するヤシの一種です。ヤシと言っても低木で、４５センチ～１メートルの葉が特徴的です。細くノコギリのように鋭いとげが付いた葉が集まって、扇のような形になっています。海岸に近い松林や砂浜に生息していて、冬のはじめに赤い果実をつけます。その果実は、アメリカ原住民の間で男性の強壮、利尿などの作用があるものとして食されてきました。

１９６０年ごろからヨーロッパやアメリカで研究され、男性の前立腺肥大に効果があるとされています。ヨーロッパでは医薬品としても認められていて、副作用もないことから高く評価されています。

そんなノコギリヤシにはもう一つの効能があります。それは育毛効果です。抜け毛や薄毛を予防し、育毛効果が期待できるのはなぜでしょうか。

それには、男性ホルモンの仕組みが関わっています。男性ホルモンはテストステロンという物質で、筋肉を付けたり体毛を濃くして男性らしい体つきにする作用があります。テストステロンは５αリアクターゼという酵素と結びつきます。その結果、ジヒドロテストステロンという物質に変わってしまいます。ジヒドロテストテロンは髪のもととなるタンパク質の合成を阻害し、皮脂を過剰分泌させて毛穴を詰まらせます。そのせいで頭皮は脂っぽくなり、ニキビや湿疹もできやすく抜け毛が増えてしまうのです。

ノコギリヤシは５αリアクターゼ酵素の働きを抑制し、ジヒドロテストステロンの生成を抑えます。抜け毛の原因を抑えるので、育毛効果があると言えるのです。男性ホルモンには影響がないため、副作用が少ないのもポイントになるでしょう。

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